【阿月・浅井家侍女】
2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」。
このほど浅井家侍女として「阿月(あづき)」という配役が
発表されました。
NHK大河ドラマ「どうする家康」
公式サイトにある
役柄紹介によりますと、
「貧しい下級武士の娘で、
つらい生活を送っていたところを、
北近江・浅井家に嫁いだお市に助けられ、
侍女として献身的に仕える。
越前・朝倉義景と戦うため、
織田・徳川軍が金ヶ崎に向かう中、
浅井家の混乱を察した阿月は、
お市にあることを申し出る。」
とあります。
さて・・・その「あること」とは?
名前は阿月(あづき)。
実際に検索すると
見るからに美味しそうな和菓子屋さんが
出てきます。
そうずばり「小豆袋」ですね。
【「小豆袋」】
「朝倉家記」によりますと、
金ヶ崎の戦いの折り、
織田信長に袋の両端を縛った「小豆の袋」を
陣中見舞いに送ったとされています。
織田信長にとって小豆は大好物でした。
その袋は両端を縄で括って
結び切りにしてあり、
文は添えられていません。
口上は 「陣中のお菓子になされますように」
とだけであったとのことです。
受け取った織田信長は、 やがて気が付きます。
それは、 浅井長政が謀叛して
退路が遮断され、 朝倉と共に
前後より挟撃しようとしており、
織田信長の軍は袋の中に入れられた
小豆であるかのごとく、
前後を固く真結びに結ばれて、
一粒たりと脱出することが出来ない
状況にあることだということに。
お市が兄のためにと
限界ぎりぎりの通報であったとのことです。
けれどもこの逸話は
後世の創作ともされております。
さて、ここからは
史実とされている伝承となりますが、
浅井家侍女との伝承がある墓石が
滋賀県長浜市に存在しております。
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【侍女「盛秀」の墓】
近年拓本から、「盛秀」の文字が浮かび上がり
侍女「盛秀」の墓として
五先賢の館にて企画展も行われていたとのことです。
浅井家侍女の墓は五輪塔形状の墓石で、
「盛」「秀」「禅定尼」
「元亀四癸酉年」「四月四日」
などの文字が刻まれています。
元亀4年(1573年)は
天正元年と改元された年です。
そして浅井長政の籠る小谷城が
織田信長に攻められて
落城した年でもあります。
この墓石は小谷城から
逃れてきた浅井家の
侍女の墓であるとする伝説があります。
「信長公記」によりますと、
小谷城が落城したのは9月1日であり、
4月4日はそれよりも前になります。
が、江戸時代に記された地誌
「淡海国木間攫」には
「浅井長政北ノ方ノ墓ナリト」
と図入りで記されており、
昔から浅井家とのかかわりが
指摘されてきた墓石であるとのことです。
(現地案内板より)
<五先賢の館(ごせんけんのやかた)>
長浜市田根地区ゆかりの5人の先人
(相応和尚、海北友松、片桐且元、
小堀遠州、小野湖山)を顕彰する施設です。
相応和尚(比叡山延暦寺の千日回峰行の創始者)、
海北友松(聚楽第に描いた安土桃山時代の画人)、
片桐且元(賤ヶ岳七本槍の一人で秀吉政権中枢の武将)、
小堀遠州(江戸時代初期の大名で総合芸術家)、
小野湖山(明治の三大漢詩人)の
5人の偉業を、展示品と映像で分かりやすく
紹介しているとのことです。
<所在地>
滋賀県長浜市北野町1386
<交通アクセス>
JR琵琶湖線「河毛駅」から車で15分程度。
(車)
北陸自動車道「長浜IC」より20分程度。
<駐車場>
普通車20台 大型バス2台
<営業時間>
午前9時~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
<定休日>
水曜・木曜・祝日の翌日・年末年始
<料金>
大人:300円
小中学生:150円
20人以上 2割引き
※長浜市及び米原市の小中学生は無料
【侍女「盛秀」伝説】
北野では、この盛秀が
小谷落城の際、姉妹を逃がした人物として
語り継がれているとのことです。
小谷を脱出し、池奥という民家で
姉妹を古い野良着に着替えさせて
北野へ降りた道は、
今でも「こじき坂」と呼ばれているそうです。
姉妹はその後北野から田川堤を下って
平塚の実宰院へ逃れ、匿われました。
そのとき三人の侍女が姉妹の供をし、
その中の一人が盛秀であったということです。
盛秀も、実宰院に住むよう言われましたが、
姉妹の足手まといになってはと
実宰院を離れ北野に戻り、
尼となって暮らしたということです。
盛秀の住まいは小谷城を
頭上にのぞむ地にあり、
毎日姉妹の無事を念じて
暮らしたといわれています。
しかし盛秀はその後突然亡くなり、
その死を悼んだ北野の人々によって
懇ろに葬られたそうです。
なお、実宰院の伝承と内容が
ほぼ一致しているとのことです。
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<盛秀の墓・所在地>
滋賀県長浜市北野町
「五先賢の館」から
少し北に位置しているとのこと。
県道277号線沿いから少し入る。
案内板があるそうです。
専用の駐車スペースはなさそうです・・・。
【オリジナルキャラ?「盛秀」が含まれる?】
今回「阿月」は「小豆袋」を伝えるための
オリジナルキャラであるのか、
それともモチーフとして
「盛秀」も含まれているのかは
わかりません。
歴史本の表舞台には決して
登場しない人物ですが、
それでも確かに存在し、
主君を支えてきたのです。
支えてきた人物がいたからこそ
主君は主君でいられたのでしょうね。
2023年NHK大河ドラマ
「どうする家康」では
阿月役を伊東 蒼(いとう あおい)さんが
演じられます。
お市~織田信長の自慢の妹、聡明で戦国一の美女と謳われた女性の激烈な人生。
淀殿~母はお市で浅井三姉妹の長女、波乱万丈の人生を烈火の如く駆け抜けました。
織田信雄~織田信長の次男、散々な目に遭うも長生きしその血筋は明治維新まで受け継がれました。
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