【たね(築山殿侍女)】
20233年NHK大河ドラマ
「どうする家康」の新たな出演者発表があり、
その中で「たね」という侍女役も発表されています。
出演者の紹介文は以下の通りです。
「名門関口家の侍女として、瀬名の世話をする。
元康(のちの家康)が織田方に転じたことで、
瀬名と共に捕らわれの身となる。
武家の娘らしく、信念を持ち義理堅く、
苦しい中でも瀬名やその子たちを
献身的に支え続ける。
心細い瀬名にとっては、
頼りになる家族のひとり。」
とのことです。
さて、この「たね」という侍女ですが、
単に、瀬名姫の侍女であるか、
或いは瀬名以外の人物や
主人公と今後において何かしらの
関りが生じるのかは不明です。
そこで、史実として残っている
「瀬名姫(築山殿)の侍女」を紹介します。
なお、於万の方(小督の局、長勝院)は
配役が発表されました。
【「たね」は小督の局なのか?】
小督の局は徳川家康側の人物であり、
徳川家康と出会ったのは、
浜松城ともされています。
「たね」は人物紹介である通り、
関口家の人間。
「小督の局」ではない可能性が高いですね。
はい、異なりました。
【西郷局の殺害疑惑の侍女】
西郷局は、27歳より徳川家康公に仕え、
浜松城にて、三方ヶ原の戦い、設楽原の戦い、
小牧長久手の戦い等、徳川家康が
最も苦難にあった時の
浜松城の台所を仕切った人であり、
三河武士団に最も人望があったとのことです。
そして2代将軍徳川秀忠、
尾張の松平忠吉公の生母でもあります。
その西郷局は38歳ころに
亡くなったとされていますが、
その死因の一つに毒殺・暗殺説があります。
その犯人が徳川家康の正室である
築山殿の侍女、とのことです。
不確定であり、
それをきちんと裏付ける史料もなく、
後世の創作や噂話の域でもあるのですが、
事実はどうなのでしょうか?
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【「たね」は西郷局殺害疑惑の侍女なのか?】
「たね」は関口家の侍女。
もし築山殿と共に岡崎に行っていたのなら
その後の事となる
浜松城での西郷局の事は
聞き及んでいたことでしょう。
当然、築山殿の耳にも入っていたことでしょう。
西郷局の死は築山殿の死去の後です。
もし西郷局の暗殺犯であるならば、
非業の死を遂げた築山殿の事を
思った上での犯行でしょうね。
【それとも?】
現時点では、「たね」が
どんな人生を歩むのかは
何もわかりません。
築山殿の両親の自害とともに
築山殿のところを去るのか、
岡崎に一緒に赴くのかもわかりません。
演じられる女優さんもかなりお若い方です。
【築山殿殺害後に入水自殺した侍女?】
1579年8月29日、
徳川家康の命を受けた野中重政(野中三五郎重政)と
岡本時仲(岡本平右衛門時仲)、
石川義房によって、佐鳴湖を船で渡った
東端・小藪村(太刀洗の池、佐鳴湖岸)にて、
築山殿は殺害されました。
その訃報を受けて
入水自殺し、殉死した侍女がいます。
伊奈忠基の娘、とのことです。
伊奈忠基は
当時の徳川家康にとって
政治経済の上位幕僚であったとのことです。
徳川側がつけた侍女となります。
【伊奈忠基】
伊奈氏は清和源氏の流れで、
はじめ戸賀崎、荒川と称していましたが、
77代易氏のとき信濃国伊那郡に住み、
孫易次のとき伊奈を姓としました。
のち易次は信濃を去り東海地域に流浪します。
その子である伊奈忠基は
松平広忠・徳川家康父子に仕え、
三河国小島城(愛知県西尾市)を
居城とした土豪となります。
嫡男貞政の系統は関ケ原の戦いの後に
断絶となりましたが、
十一男忠家の系統は栄え、
その嫡子伊奈忠次は
徳川氏の関東入国後、
代官頭として家康の側近グループに加わり、
関東領国支配の中心的役割を
果たしたとのことです。
伊奈忠基の娘であるならば、
関口家に居たころから仕えていた侍女とは
別人になります。
【身代わりになった河井某の娘?】
実は築山殿には生存説があります。
築山殿の身代わりになったのは、
河井某の娘であり、
その後尼となって寿桂尼の墓を
世話をした比丘尼となった、
ということです。
【河合氏と藤原南家流の川井氏】
この「河井某」ですが、
今川氏真の側近として
川井(河井)与四郎という家臣がいます。
この川井(河井)与四郎と、
築山殿の侍女である「河井某」の
関係性は残念ながらわかりませんでした。
今川家臣団の中に、
先祖が藤原南家流の川井氏がいますが、
川井(河井)与四郎との関係性も
はっきりとはわかりませんでした。
この川井氏は、遠江の掛川の松葉城を
拠点としていたようです。
遠江は元は今川氏が守護職を
継承していましたが、
斯波氏に奪われていました。
遠江奪還を図るべく
1494年以降、遠江に侵攻した、
今川氏親・伊勢盛時(北条早雲)によって
川井氏は破られています。
ちなみに藤原南家流からは
工藤氏・伊東氏・二階堂氏・相良氏など
武家の名族を数多く輩出しています。
また新しいことがわかりましたら更新します。
2023年NHK大河ドラマ
「どうする家康」では
豊嶋 花(とよしま はな)さんが演じられます。
築山殿(瀬名)~徳川家康の正室で松平信康と亀姫の生母ですが、後に非業の死を遂げます。
松平信康(徳川信康)~将来を有望されていた嫡男でしたが、築山殿と共に非業の死を遂げます。
亀姫(徳川家康の長女)、母は築山殿で夫の奥平信昌との間には4男1女を授かりました。
結城秀康~徳川家康の次男、父から冷遇され兄の信康の計らいで対面を果たし、秀吉、結城氏の養子となる。
関口氏純(親永)~築山殿の父親であり出自は今川一門の瀬名氏であり今川家の有力家臣でした。
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