鎌倉殿の13人

大弐局 ~加賀美遠光の娘で兄弟には小笠原氏・南部氏がおり、源頼家・源実朝の養育係を務めた女性です。

法善護国寺 二天門



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【大弐局 (加賀美氏)】

大弐局(だいにのつぼね、生没年未詳)は、
鎌倉時代初期の女性です。
甲斐源氏の一族である加賀美遠光の娘で、
母は和田義盛の娘(もしくは姉妹)です。
兄弟に秋山光朝、
小笠原長清、南部光行らがいます。
鎌倉幕府2代将軍源頼家及び
3代将軍源実朝二代の養育係を務めました。

【父・加賀美遠光の立ち位置】
父の加賀美遠光は朝廷や平家と
繋がりを持つ人物でありました。
けれども治承・寿永の乱においては、
甲斐源氏棟梁の武田信義、安田義定らとともに、
伊豆の源頼朝に呼応した
反平家の挙兵に参加しています。
加賀美遠光の活動は武田信義や
安田義定に比べて
目立つものではありませんでしたが、
鎌倉幕府の設立後は源頼朝から
自立的行動をとり排除された
武田信義や安田義定に対し、
加賀美遠光は源頼朝へ接近を図り
一定の地位を確立しています。

源頼家の養育係になる】
「吾妻鏡」によりますと
大弐局は文治2年(1188年)7月4日に
大倉御所に参上し、
源頼朝より7歳の嫡男である
万寿(のちの源頼家)の養育係に定められ、
9月1日には源頼朝と対面して
大弐局の名を与えられました。
父親である加賀美遠光は盃酒を献じたということです。

源実朝の儀式で介添え役になる】
さらに、建久3年(1192年)8月9日、
源頼家の弟である千幡(のちの源実朝)の誕生にあたり、
乳母として召された阿波局による
乳付けの儀式で介添えを務めました。
更に11月の千幡の御行始にも
阿波局と共に介添えを務め
小袖1領を贈られたということです。
同年12月、源頼朝が父親である
加賀美遠光ら御家人を集めて千幡を披露し
盃を振る舞った際には、給仕を務めています。

【源実朝の養育係になる】
そして源頼家に続き、
源実朝の養育係も務め、
源実朝付き女房の筆頭格となりました。
建保元年(1213年)5月の和田合戦では
敗北した和田氏方の所領であった
出羽国由利郡を与えられ、
養子である甥の大井朝光に譲ったとされています。

【称名寺の大威徳明王像】
鎌倉時代には女性の発願による造像が多いです。
称名寺(しょうみょうじ)所蔵の
大威徳明王像は近年内部から
像内納入品が発見され、
銘から同像は運慶による作で、
大弐局の発願であったことが確認されています。
なお、この大威徳明王像は
運慶の現存作品中最晩年の作であるとのことです。




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<称名寺・所在地>
〒236-0015 神奈川県横浜市金沢区金沢町212−1

<交通アクセス>
シーサイドライン「海の公園南口駅」
又は
「海の公園柴口駅」より徒歩10分程度。
京急線「金沢文庫駅」より徒歩12分程度。
※専用の駐車場はありません。

武田義清(源義清 (武田冠者))~常陸国出身で配流となった先の土地に根差して甲斐源氏の祖となりました。

武田信義~甲斐源氏であり武田氏の初代当主となり、武田信玄の遠いご先祖様です。

加賀美遠光~甲斐源氏で武田信義の叔父又は弟、小笠原氏・奥州南部氏の祖でもあります。

秋山光朝~加賀美遠光の長男、甲斐源氏の勢力拡大を恐れた源頼朝に疎まれ謀殺されます。

小笠原長清~弓馬四天王と称され、武家の有職故実を伝える小笠原一族の始祖です。

源頼朝の生涯~武家政治の創始者~武家源氏の主流の御曹司でイケメンだったそうです。

源頼家~悲劇の2代目~北条VS比企、時々朝廷、そして東国武士の権力闘争が渦巻く時期。

源実朝~3代将軍にて天才歌人~繊細で思慮深く秘めた志あり、やがて雪の中に散っていく。

阿波局(北条時政の娘)~梶原一族滅亡の火付け役?夫は源頼朝の弟で源実朝の乳母だが姉同様に我が子を失う

運慶~日本彫刻史上最も有名な人物でその作風は力強く躍動的で写実的です。

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