城跡

安芸高木山城について・沼田荘の開発領主であった沼田氏の居城であり、平家と共に壇ノ浦で滅びました。

安芸高木山城



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【安芸高木山城】

【所在地】 
広島県三原市本郷町下北方

【別名】 
沼田城

【築城期】 
不明(平安時代後期か)

【築城者】 
不明(沼田氏か)

【城主】 
沼田次郎、内藤実豊

【高さ】 
30m

【形態】 
丘城

【遺構】 
郭・堀切等

安芸高木山城は
広島県三原市本郷町下北にあって、
沼田川の支流梨和川の北岸に
築かれた城館です。
別名沼田城ともいわれています。

平安時代に
沼田(ぬた)氏が築城したものと
云われています。

【沼田荘と沼田氏】
安芸沼田城があった辺りは
沼田荘(ぬたのしょう)と称される
安芸国沼田郡の荘園でした。
本荘と新荘からなり、
沼田川河口
(現広島県三原市西部から本郷町(現・三原市))
にかけた地域に本荘があり、
沼田川支流椋梨川流域の
現賀茂郡一帯の
山間地と飛地の竹原市に
新荘がありました。
沼田氏は開発領主であった
といわれています。
その沼田氏の寄進によって
沼田荘が成立したと
みられていますが詳細は不明です。
平安末期には
京都蓮華王院領となっていました。

【伊予水軍の河野氏】
治承4年(1180年)12月、
伊予国の豪族で
伊予水軍の将であった河野通清が、
九州の菊池氏らによる反乱(鎮西反乱)などと
呼応して高縄山城(愛媛県松山市)で
平家の兵を挙げ、
平維盛の目代を追放しました。

【河野通信と沼田氏】
平家方である備後国の住人である
額入道西寂(沼賀高信)が
討伐軍として伊予国へ攻め寄せ、
河野通清は翌年の養和元年初めころ、
高縄城で敗死したとされています。
父である河野通清が討たれた時、
子である河野通信は母方の伯父である
安芸の沼田次郎のところにいました。

【河野通信と連携】
その後河野通信は父の仇である
通信は父の仇である額入道西寂を
捕縛し処刑しました。
その後も河野通信はゲリラ戦を展開し、
主導権を握り、
海の武士である河野氏は
その機動力を生かしていきます。
その時に連携した豪族の一つが
安芸国の沼田氏でした。
けれども寿永3年(1184年)2月、
平通盛・平教経らの攻略を受けて
多くの郎党を失う打撃を
受けたということです。
平教経らは、屋島から
安芸沼田城へも押し寄せ、
沼田次郎は降伏し、
河野通信は伊予へ逃れました。

【沼田氏の最期】
その後、沼田五郎なる武将は、
平家に従っており、壇ノ浦の戦いで、
没落した模様です。

【河野氏は御家人になる】
一方、河野通信は
元暦2年(1185年)2月の屋島の戦い
続く壇ノ浦の戦いで軍船を率いて
源氏方に加わって活躍し、
のちに鎌倉幕府の御家人となったのでした。

【土肥氏の入部】
壇ノ浦で没落、あるいは滅んだ
沼田氏にかわり
やがて沼田荘には
東国から小早川家の祖である
土肥遠平が地頭として
入部していきます。
本荘には惣領の沼田小早川家、
新荘には椋梨小早川家が
それぞれ城を構え、
在地領主として成長していくのです。

【沼田荘を護るため】
河野氏は鎌倉幕府の御家人となって
栄えて、一方の沼田氏は平家と共に
滅んでしまい・・
くっきりと明暗が分かれてしまいました。
沼田氏は沼田荘とその土地に住む人々を
護るために降伏して
平家の家臣となってしまったのでしょうね。

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