津田信澄(つだ-のぶずみ)は、織田信澄(おだ-のぶずみ)とも言う戦国時代の武将です。
1555年に尾張・末森城主・織田信勝(織田信行)の嫡男として生まれました。
母は和田備前守の娘・高島局です。
津田信澄(織田信澄)の父になる、この末森城主・織田信勝(織田信行)は、織田信秀と土田御前の間に生まれた子で、織田信長の弟になります。
織田信長と織田信行は、家中の家督争いもあり、稲生の戦いなどで争い、最終的には1558年に織田信長が清洲城に呼び出して織田信行を暗殺しました。
その殺害された織田信行の遺児が、ここでご紹介する津田信澄(織田信澄)と言う事になります。
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当時、まだ津田信澄(織田信澄)が3歳の頃に、父が誅殺された問う事になりますが、弟の津田信糺、津田信兼と共に子供たちは許されており、柴田勝家などが養育したと言います。
そして、津田信澄は1571年、織田家に降伏していた佐和山城主・磯野員昌の養子になりました。
佐和山城には丹羽長秀が入ったため、磯野員昌(いその-かずまさ)は、近江・高島郡を与えられて、近江・新庄城を本拠にしたようで、津田信澄も高島に入ったようです。
ただし、津田氏を依然、称していることから、養子に入ると言う約束だけで、正式な縁組はしていなかったともされます。
ただし、1575年7月、磯野員昌と津田信澄は一緒に、越前一向一揆の討伐に参陣しています。
また、1576年には磯野員昌と津田信澄が、高島から京都に共に上洛もしました。
その1576年1月、丹波・八上城の波多野秀治が織田家から離反した際には、黒井城の戦いで苦戦していた明智光秀の援軍として津田信澄も参じています。
1577年閏7月から、津田信澄が所領の安堵状などを発行していることから、磯野員昌の実権は津田信澄に移っていたようです。
更に磯野員昌は、1578年に織田信長から叱責を受けると、織田家から出奔しました。
そのため、高島郡は完全に津田信澄の所領となり、新たに近江・大溝城(トップ写真)を築城して、本拠としました。
大溝城の縄張り(設計)を行ったのは、明智光秀となります。
そして、1578年頃、織田信長の命もあり、津田信澄の正室は明智光秀の4娘(名前不明)を正室に迎えました。
以後、津田信澄は織田信澄と名乗ることもあり、織田家の一門衆として織田信長の側近、また、織田信忠の軍勢として、本願寺顕如の石山本願寺の戦いなどで活躍しました。
荒木村重の謀反の際には、占領した摂津・伊丹城には織田信澄が置かれて、荒木だしなど、荒木一族の妻子などを京へ護送もしました。
また、石山本願寺が降伏したあとには、大阪に常駐して治安維持に努めたようです。
イエズス会の宣教師らは、織田信澄のことを「大坂の司令官」と呼んでいます。
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1581年の京都御馬揃えでは、連枝衆の参加者で織田信澄は5番目に行進しました。
和泉・槇尾寺が検地に逆らうと、堀秀政・蜂屋頼隆・丹羽長秀・松井友閑らと津田信澄は信長の命を受けて、僧侶800名を皆殺にもしています。
また、大溝城では、高島に住む多胡左近衛門を御内衆として取り立てもしました。
伊賀攻めでは、従弟・北畠信意(織田信雄)に従って参じ、織田信長に大和国の拝領を直訴したようですが「大和国は神国である」と拒否されたとも伝わります。
1582年、甲斐の武田勝頼を攻めた際には、あとから織田信長と共に進軍しました。
その後、長宗我部元親の四国攻めに参じることになり、総大将・織田信孝の副将として津田信澄・丹羽長秀・蜂屋頼隆がつけられています。
また、京都から堺見物に向かった徳川家康を接待するよう、丹羽長秀と津田信澄が命じられました。
ところが、妻の父である丹波・亀山城主の明智光秀が、本能寺の変を起こして、織田信長と二条城にて織田信忠を横死させます。
織田信長が討たれた知らせが和泉にも届くと、津田信澄は、明智光秀と、共謀していたのでは?と言う噂が蔓延しました。
そのため、疑心暗鬼になった織田信孝と丹羽長秀は、大坂城千貫櫓(または木津城)にいた津田信澄を攻撃します。
そして、丹羽家の上田重安が津田信澄を討ちり、織田信孝の命令で、首は堺の町外れにつるされたと言います。享年25(享年28とも)。
なお、出奔していた磯野員昌は、本能寺の変のあと、高島に戻ると帰農したようで、1590年に死去しています。享年68。
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正室だった明智光秀の四女の消息は不明ですが、子の津田昌澄は、豊臣秀吉・豊臣秀頼に仕え、大坂の陣の跡には、藤堂高虎のとりなしで、徳川秀忠の旗本として取り立てられ、幕末まで続いています。
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