平安時代

百舌彦~藤原道長の従者、平安時代中期以降の貴族に仕える家臣・従者について

土壁 奈良



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【百舌彦(もずひこ)】

2024年NHK大河ドラマ
「光る君へ」の公式サイトによりますと
道長の従者
道長が少年のころから忠実に仕えている。
とあります。

本多 力(ほんだ ちから)さんが
演じられます。

【花山院乱闘事件】
藤原道長の従者というと、
長徳2年(996年)、
花山法皇が29歳のとき、
中関白家の内大臣藤原伊周・隆家に
矢で射られた花山法皇襲撃事件があります。
これは長徳の変とも花山法皇襲撃事件とも
呼ばれているものですが、
藤原隆家が従者の武士を連れて
花山法皇の一行を襲い、
花山法皇の衣の袖を
弓で射抜いてしまいます。
さらに「百錬抄」では、
花山法皇の従者の童子2人を殺して
首を持ち去ったという話も
伝えられています。

なんとも物騒な出来事ですが、
その襲撃・乱闘事件が起こる前に
藤原隆家の従者と藤原道長の従者が
七条大路で乱闘(弓矢で)を起こし、
更にその五日後には藤原隆家の従者が
藤原道長の従者を殺害したという事件が
発生していたのでした。

この「百舌彦」が上記の乱闘で
命を落としてしまうのかは
今のところわかりませんが、
主君のために時には文字通り
その命を捧げていたわけですね。

こうしてみると
平安貴族は表では政治力の駆け引きを
行い、裏では武力を行使し、
が、武力を使うときは
自らの手は汚さないという
なかなかえぐい構造であることが
みてとれます。
そして従者に実行役を命じるのですから
従者は貴族の「武」の備えでも
あったのだと思います。
実際に専門技能の一つとしての
武芸をもって奉公をしていた
従者も存在していました。
そのことがのちの武士の台頭にも
つながっていったことと存じます。




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【中世の家人について】
平安時代中期以降は、
貴族に仕える家臣・従者等を
家人と呼んでいたとのことです。

平安時代の諸大夫身分や
侍身分の技能官人層は、
摂関家などの上層貴族に
名簿(みょうぶ)を捧げる等して
主従関係を結び、主となった者に
武芸や律令知識などの家業とする
専門技能で奉仕し(奉公)、
代わりに官職等の
利益(御恩)を得ていました。

有名な例として、
藤原忠平に武芸をもって
家人として仕えた平将門がいました。
朝廷においては
官人の身分でありながら、
同時に上層貴族の家臣となることで、
官人としての地位向上を
図ったといえたのでした。

この関係が、貴種である
武家の棟梁にも適用され、
源頼信に臣従した平忠常は
源頼信の家人とされていました。

更に鎌倉幕府が成立しますと、
その首長たる鎌倉殿の家臣のことを、
鎌倉殿への敬意を表す
「御」をつけて御家人
呼ぶようになった、というのは
周知のとおりです。

藤原道長~初めは目立たずも後に政権を掌握、「一家立三后」をなし「この世をば わが世とぞ思ふ」と詠む。

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